企業でも禁煙運動が進んでいる

日本で禁煙運動が本格化したのは1970年代後半の頃で、歴史的にみれば30年から40年程度の年数となっています。
しかし、煙草の害そのものは古くから考えられており、酒と同様に大量に摂取すると害があることは知られていました。

明治になると未成年者喫煙禁止法が制定されるなど未成年者への喫煙は国として禁止されています。
禁煙運動が民間にも波及し本格的に始まったのは1970年代後半であり、1980年代には世間に広く認知されるようになり現在に至っています。

例えば国鉄ではそれまで普通列車でも喫煙することが許されていましたが、今では全車禁煙になりましたし、優等列車でも禁煙車は次第に増えていき現在では全車禁煙というのも珍しくありません。
また禁煙グッズも1980年代には多くの商品が販売されており1990年代後半には病院で禁煙指導を受けられる禁煙外来も登場しています。

一方で初期の禁煙運動そのものは煙による環境問題から分煙環境を整えるのが中心で、1990年代頃は喫煙室を設けるといったものが中心でしたが、現在ではより進んで分煙環境ではなく禁煙を奨励するといったことも増えています。
この理由としては禁煙運動の高まりによって制定された健康増進法によるものです。

健康増進法は2002年に制定されたもので罰則規定はないものの内容としては施設管理者に対して受動喫煙を防止するように努力しなければならないというものです。
この頃に分煙環境を整えるといったことが進み環境問題の改善が行われています。
ただ世界的に見れば日本の禁煙に対する政策はゆるやかな方になります。

国としても飲食店などでの全面禁煙を目指していますが、売上の減少から慎重になっており成立していません。
しかし、東京五輪招致の頃から喫煙に関して世界レベルにまで引き上げようという動きがあり、企業も積極的に従業員の禁煙を応援するといったところも増えています。

分煙環境を整えるにも相応の費用が必要ですから、その費用を従業員の禁煙に回すことで従業員の禁煙を促すところも増えています。
禁煙することで本人の病気のリスクを下げるだけでなく、周囲の従業員に対する受動喫煙を防止することができるため、かなり効率の良い方法といえます。
また禁煙に取り組んでいるといったことは企業イメージをアップすることができるメリットがあり、特にデスクワークの多い企業においては奨励型の禁煙運動が盛んに行われています。

ある企業では非喫煙者に有給を増やしている

禁煙を奨励するさいに得典としてある企業では非喫煙者に対しては有給を増やすといったことを行っているところもあります。

この有給制度はスモ休とも呼ばれるもので、おおむね年間6日の有給休暇を非喫煙者の従業員に対して与えるというものです。
この制度が出来た背景としては、喫煙する従業員は休憩時や休憩以外に煙草を吸うために1日に数回程度業務を離れることがあり、この離れて煙草を一服する時間が5分程度かかります。
煙草を吸う頻度によってこの時間は変わってきますが、労働時間の差から非喫煙者に有給を増やすことで相殺しようというものです。

企業に分煙スペースを作る費用はどれくらい?

企業としては分煙環境を作ることが義務付けられています。
屋外に喫煙スペースを作るといったものはそれほど費用は掛かりませんが、イメージ的にも良くありませんし、また気密性のあるオフィスビルでは分煙室を作る必要があります。
分煙費用としては2坪4名程度のものであれば10万円程度から作ることが可能ですが、デザインがよいものは50万円から100万円程度必要です。
また喫煙スペースを作ることは簡単ですが、フィルターなど使って空気を浄化して排出する必要があり定期的に清掃する必要があるためメンテナンスコストが発生します。
清掃だけであれば月に1回程度数万円で済みますが、機械が故障するといった場合には部品の交換なども必要ですし空気清浄機を動かすための電気も必要で思った以上に分煙費用がかかります。